日帰り硝子体手術について

日帰り硝子体手術について

硝子体手術は、眼科分野で最も難しい手術の1つです。
この手術は1970年代からはじまり、眼球に穴を3つ開けて、硝子体内で手術操作を行う眼内手術です。 様々な手術装置、手技が開発され、手術の安全性が高まるとともに、手術成績も向上してきています。

いまい眼科では25ゲージ無縫合硝子体手術(切開の傷は0.5mm)を日帰りで行っています。 日帰り硝子体手術のメリットは、日常生活あるいは社会生活へ早く復帰できることです。
従来の硝子体手術(切開の傷は0.9mm)と比較し、25ゲージ無縫合硝子体手術を行うことで手術時間の短縮化、患者さんの術後の不快感の軽減、乱視の軽減、視力回復の短縮などが可能になりました。

硝子体手術を行う疾患は?

硝子体が濁っている状態
硝子体出血、硝子体混濁、星状硝子体症
増殖膜が視力を下げる
網膜前膜、硝子体網膜牽引症候群、増殖糖尿病網膜症、増殖性硝子体網膜症
黄斑部に穴があく
黄斑円孔
黄斑部浮腫で視力が下がる
糖尿病黄斑浮腫、網膜静脈分枝閉塞症、網膜中心静脈閉塞症
網膜が剥がれている
網膜剥離、増殖糖尿病網膜症、増殖性硝子体網膜症
その他
水晶体脱臼、眼内異物、網膜分離症など

日帰り手術のメリット・デメリット

メリットとしては
家を留守にしないですむ、仕事復帰が早められる、入院先での人間関係や見舞客への対応が不要になるなど、さまざまです。 高齢の方では、入院することで足が弱くなってしまったり、体調を崩される方もおられます。
日帰りで硝子体手術を受ければ、暮らし慣れた環境でゆっくりお過ごしいただけます。 また、入院による拘束がないので早期の社会復帰が可能となります。
入院費用がかからず、差額ベッド代も不要なため、費用が安くなります。

デメリットとしては
手術日を含めて10日間のうちで少なくとも4日間の通院が必要になります。 手術当日、術翌日は眼帯をするので自分で運転することが困難です。
また、手術で眼内にガスなどの気体注入を行った場合は、その気体が自然吸収されるまで(数日から2週間程度)は、術眼がよく見えない状態が続きますので、自分で運転することが困難になります。 したがってその間は、ご家族の方に運転をお願いするか、タクシーなどの交通機関を使っていただく必要がでてきます。

硝子体手術までの流れ

1 手術日・手術内容決定

視力検査、眼底検査などを行って、硝子体手術の適応があり、手術をご希望される場合は、手術予定日を決定します。

2 手術前検査(手術2週間前)
手術前の検査を受けていただきます。(白内障手術を同時に行う場合は、眼軸長測定・角膜内皮細胞検査・血液検査など)
手術前に必ず手術の内容、手術前後の注意事項についての説明を受けていただきます。
(可能な限り)どなたかご家族の方とご一緒に説明を聞いていただきます。
高額医療費などについても説明を行います。
3 手術当日
当院では毎週火曜日の午後に手術を行っています。来院後は、手術する目に瞳を広げる目薬などを何回か点眼します。
手術開始が近づいたらリカバリールームに移動して手術用の衣服に着替えていただきます。
手術時間は30分から60分程度ですが、病状によって異なります。難症例ではさらに時間がかかります。
手術後はリカバリー室で休んで帰宅して頂きます。

硝子体手術の実際

眼球の中心にある硝子体というゼリー状の部分を除去する硝子体切除術が基本です。
網膜前膜や増殖膜を除去したり、レーザーで網膜を凝固する眼内光凝固術、剥がれた網膜を復位したり出血を抑えたりするために眼内の水を気体などに交換する硝子体置換術などを組み合わせて行います。

硝子体手術の実際

目に0.5ミリの小さな穴を3カ所あけ、1カ所に眼内に水を入れる器具(インフュージョンカニューラ)を固定して還流液を入れ、残った2箇所から眼内を照らす眼内照明と硝子体カッターを挿入します。そして角膜上にのせた特殊なコンタクトレンズを通して、硝子体カッターで硝子体を含め出血や増殖膜を細かくしながら吸引切除します。増殖膜があれば、特殊なセッシ(硝子体セッシ)で除去します。網膜剥離があれば、インフュージョンカニューラから空気を注入し、眼内の水を吸引除去し、眼内を空気に置換(液空気置換)して網膜を伸展させます。そしてレーザー光線で網膜を凝固して剥がれにくくさせます。網膜浮腫の軽減や新生血管の発生予防目的のため、網膜光凝固術を網膜全体にまばらに行う場合もあります。

通院スケジュールは?

通院スケジュール 火曜日午後:手術して帰宅 術翌日(水曜):診察して眼帯をはずす 術後3日目(金曜):診察 その後:手術日の1週間後2週間後1か月後2か月後と診察

(以上は目安です。病状によって変わる場合があります。)

手術後の生活について

※手術後の注意は目の状態によって異なりますのでご相談下さい。以下は目安です。

  • 手術当日および翌日は眼帯をした状態になります。そのため、ご自分で車を運転しての来院はおすすめしていません。眼帯は手術翌日にはずします。
  • 手術後1週間は、洗顔は行わないで顔を拭く程度にしてください。首から下のシャワー浴は、手術翌日から可能です。入浴は目をぬらさないよう注意すれば、術後3日目から可能です。
  • 飲酒は手術後の炎症が強くなるので当日は控えてください。
  • 眼内をガスなどの気体に置換して終了した場合、術後に姿勢の制限が必要になることがあります。具体的には黄斑円孔や網膜剥離などの場合で、「顔を下に向ける姿勢を、目が覚めている間の3分の1以上行う」「仰向けに寝てはいけない」「右側を下にして横になる姿勢をできるだけ多くの時間維持する」など、病状によって異なります。姿勢の制限がある場合には、家事開始や仕事復帰の時期が遅れます。
  • 菌が眼に入って重症な感染症(眼内炎)を起こす危険性は、手術後6日以内がほとんどなので、力仕事(汗が目に入る仕事やスポーツなど)やほこりの多い職場での作業は、手術後1週間は控えた方がよいと思います。
  • 車の運転は両眼で見た視力が0.7以上必要(法規上)ですので、いつ運転できるかは人によって異なります。

手術についてよくあるご質問

術後に注意することは?
①目をこすったり圧迫したりしないでください
②目薬をしっかり点眼してください
③異常を感じたらすぐに連絡、または受診してください
④目に目薬以外の水を入れないで下さい。
一番怖い術後合併症は「術後眼内炎(感染症)」です。確率は1000から2000分の1と言われてますが、発病したら早期の対応が必要です。
手術後いつから仕事ができますか?
仕事はなるべくお休みしてください。できれば手術日(火曜)から金曜日まではご自宅でゆっくりしていただいたほうが良いと思います。
その後のお仕事は内容によりますので院長とご相談ください。
手術の予約待ちは?
通常約1―2か月ですが、緊急性がある疾患は早期に手術します。
手術は痛くない?
点眼麻酔とテノン嚢下麻酔という局所麻酔で行います。
手術中に少しでも痛みを感じるようであれば、麻酔を追加して、ほとんど痛みを感じないようにして手術を行います。
手術中は会話もできますので心配なく手術を受けていただけます。
手術費用の目安は?
(症状により手術内容が異なり、増減する場合があります。)
1割負担で約4~6万円、3割負担で約10~17万円です。
白内障手術を同時に行うと、1割負担で約7千円、3割負担で約2万円が追加となります。
入院費用が不要な分、費用は安くなります。
高額療養費制度により、年齢・所得に応じて、ご本人が支払う医療費の上限が定められておりますので、御確認下さい。
70歳以上の方は窓口での支払限度額が適用されます。
医療費控除(高額医療)の対象です。
※H25.8月現在

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